上埜動物病院ワンちゃんのおすすめフード
コラム 2016年07月7日
ウサギさんの健康管理
うさぎは 犬・猫・フェレットのようにワクチンやフィラリアなど予防の為に病院へ行く機会がありません。
だからこそ定期的に検診を受ける事が重要です。
当院では初診時に身体検査、便検査、ウサギの食生活や習性、その他飼育上のアドバイスを致します。
ウサギさんの健康管理
- ・元気は今まで通りあるか? 食欲は今まで通りあるか?
- ・飲水量に変化はないか?
- ・便の量・大きさに変化はないか? 下痢はしてないか? 便が毛でつながっていないか?
- ・おしっこの量や色に変化はないか?
- ・皮膚の毛が抜けたりしていないか? 痒がっていないか?
- ・できものや傷はないか?
- ・口や目の周りの毛が抜けたり、色が変わったりしていないか?
- ・目が充血したり、目やにがでたり、痒がっていないか?
- ・耳を痒がっていないか? 耳の中から臭いがしないか?
- ・頭を傾けたり、激しく振る事はないか?
- ・クシャミや鼻水はでないか?
- ・ご飯を食べにくそうにしていないか?
- ・歯ぎしりの様な音がしないか? よだれを垂らしていないか?
ウサギは私達人とも犬や猫とも違う草食動物です。
草食動物は、頻繁に食事をとる必要がある為、ある程度具合が悪くなっても食べている事が多いです。
また野生のウサギは、病気などでうずくまっていると天敵の餌食になってしまう為、具合が悪くても平然を装おっていると言われています。したがって元気がなかったり、食欲がないということはかなり状態が悪い事を意味しています。
ですから「2、3日家で様子を見てから…..」と思わないで、できるだけ早く病院で診察を受けましょう。
不妊手術 去勢手術のQ&A
Q ウサギに避妊手術は必要なのでしょうか?
ウサギは発情中に陰部からの出血もありませんし騒ぐこともありません(もっとも攻撃性が増す子もいるようですが)し、一頭だけで飼育しているのなら妊娠してしまうこともありませんが、雌のウサギは加齢に伴い生殖器系の疾病がかなり多く見られるようになります。
年齢が3歳を越えると子宮腺癌の発生率が高くなることが分かっています。
ですから出産の予定が無ければ早期に避妊手術をする必要があるでしょう。
これは特にニュージーランドホワイトやネザーランドドワーフ種に高率に見られますが、当院ではこの種に限らず子宮腺癌の発生例を多く見ています。
これ以外の品種だからと安心しない方が良いでしょう。これらの疾病の予防には現在避妊手術がもっとも適しております。
Q 子宮腺癌はどういう症状なの?
外陰部からの出血や、妊娠していないのに乳腺が発達したり、乳腺炎を起こしたり、また食欲の低下が見られたり。
外見上は全く無症状でも定期検診時の腹部触診で偶然発見することもあります。
経過が長引くと慢性的な消化器疾患が見られることがあります。これは肥大化した子宮により盲腸が圧迫され縮小してしまう為に正常な発酵が出来なくなるためです。当然これが続けば食欲不振を起こし、最悪は死の転帰を迎えます。
また腫瘍ができる場所によって出血量は変わってきます。
少量の出血でも長く続くと、命を脅かすほどの貧血が起こる可能性もあります。
放置したまま末期になると、他の癌と同じく肺などの主要臓器に転移が起こり呼吸困難などの症状が現れてきます。
転移が起こっていない場合には子宮と卵巣の全摘出を行いますが、すでに主要臓器に転移している場合は残念ながら手の施しようがありません。
ウサギの子宮癌は転移する確率が非常に高い上、ごく小さな転移であれば最初に分からないこともあるので手術後もしばらくは警戒が必要です。
Q ウサギのオスを飼っていますが、去勢手術は必要ですか?
もし飼育している雄のウサギが,放尿(おしっこ飛ばし)、攻撃性が強い、すぐ腰を使うなどの問題行動が目立ち、日常の生活に支障をきたすのなら、去勢手術により改善します。(100%ではありませんが問題行動が始まってから早ければ早いほど改善します。)
これらの問題がなければ、特に去勢を行う必要性は現在報告されておりません。
Q ウサギの手術は安全なの?麻酔は大丈夫?
犬や猫の避妊手術と同じくらいの気持ちでかまわないでしょう。
もちろん100%安全な麻酔薬はありませんし,麻酔もその個体により使う種類を変えなくてはいけないこともあります。
ですから術前検査(血液検査,身体検査など)を徹底していけば問題となる確率は劇的に少なくなるはずです。
幸い当院で避妊去勢手術における麻酔の事故はまだ発生しておりません。
Q どのようにして麻酔をかけるのですか?
一般的には前麻酔(注射)をしてから維持麻酔(吸入麻酔)で麻酔の維持をします。
処置の部位に依って麻酔方法は変えることがありますが,避妊去勢手術の場合は上記の方法で行います。
Q 手術の方法は?
避妊手術は卵巣子宮をすべて摘出する手術ですので開腹手術となります。
ですから腹部を3-4cm位切開することになります。手術時間はおよそ20-30分です。
皮膚は縫合し,術後1~2週間で抜糸して終了となります。
去勢手術は精巣を摘出する手術で、手術時間は5-10分で、皮膚は縫合しない為術後抜糸の必要は有りません。
この間、抗生物質を服用し化膿しないようにします。
Q 手術の流れについて教えて下さい。
当日のスケジュールの概要
・9:00-10:00 ウサギを連れて来院(絶食は不必要)~12:00 身体検査(必須)と血液検査(推奨)の実施
・13:00- 前麻酔(各モニタ類設置,保温ヒーター)吸入麻酔にて麻酔維持手術準備(剃毛,消毒など)
・13:20- 手術開始
避妊手術(30分程度で終了)去勢手術( 5分程度で終了)
手術終了後 拮抗剤投与麻酔からの覚醒
・17:00以降 飼い主さんからの電話連絡を待ち,手術の経過,状態を説明
抗生剤を一週間投与
・一週間後,抜糸にて終了
Q 手術をお願いしたいのですが、どうすればよいでしょう?
手術には電話または来院による手術日の予約を必要とします。
初めての方は一度健康診断に来ていただければ,その子に応じた手術内容について詳しくお話しできると思います。